ワンタッチ式洗濯機水栓の正しい閉め方と注意点
最近の賃貸物件や新築住宅で増えているのが、給水ホースをカチッと差し込むだけで接続できる「ワンタッチ式」の洗濯機用水栓です。これは、緊急止水弁付き水栓とも呼ばれ、万が一ホースが外れた場合に、自動で水が止まる安全機能が備わっているのが特徴です。この安全機能があるため、「このタイプの水栓なら、開けっ放しでも大丈夫だろう」と思っている方も多いかもしれません。しかし、このワンタッチ式水栓も、基本的には「使わない時は閉める」ことが推奨されています。なぜなら、緊急止水弁は、あくまで「ホースが外れた時」の保険であり、ホース自体の破裂や、洗濯機本体の電磁弁の故障による水漏れまでは防いでくれないからです。また、常に水圧がかかり続けることは、水栓内部のパッキンや弁の劣化を早める原因にもなります。このワンタッチ式水栓の閉め方には、少し注意が必要です。一般的なハンドル式の蛇口とは異なり、多くは90度だけ回転するレバー式になっています。レバーが給水管と平行になっていれば「開」、垂直になっていれば「閉」の状態です。閉める際は、このレバーをカチッと止まるまで、しっかりと90度回し切ることが重要です。中途半端な位置で止めてしまうと、完全に止水できずに、わずかに水が漏れ続ける可能性があります。また、長期間使用していると、このレバーの動きも固くなることがあります。その場合も、無理な力を加えるのは禁物です。最新の便利な設備であっても、その特性を正しく理解し、基本的な安全対策を怠らないこと。それが、水漏れのリスクを最小限に抑え、安心して暮らすための秘訣です。