天井や壁に現れた不審なシミ。これを発見したとき、多くの人は「雨漏りだ」と直感的に考えるかもしれません。しかし、その原因は必ずしも雨水とは限らず、建物の内部を走る給排水管からの「漏水」である可能性も十分にあります。この二つは、原因が全く異なるため、修理を依頼すべき業者も変わってきます。間違った対応で時間と費用を無駄にしないためにも、雨漏りと漏水の特徴を知り、その原因を正しく見極めることが重要です。 見分けるための最も分かりやすいポイントは、シミの現れ方と天候との関連性です。もし、シミが雨の日にだけ現れたり、雨が降った後で濃くなったり広範囲になったりする場合は、屋根や外壁、ベランダの防水層の劣化などから雨水が侵入している「雨漏り」の可能性が非常に高いでしょう。この場合は、屋根工事の専門家や防水工事業者に調査を依頼するのが正解です。 一方で、天候とは全く無関係にシミがじわじわと広がり続けたり、晴れた日に突然水が滴り落ちてきたりする場合は、「漏水」を強く疑うべきです。そのシミの真上や近くに、キッチン、トイレ、お風呂といった水回りの設備があれば、その給排水管が原因である可能性が高まります。また、水道を使っていないのに水道メーターが回り続けている場合も、漏水であることの決定的な証拠となります。漏水の場合は、水道修理の専門業者や水道局指定工事店に連絡するのが適切な対応です。 シミの色合いもヒントになることがあります。雨漏りのシミは、木材のアクや汚れを含んで茶色っぽく濁っていることが多いのに対し、給水管からの漏水は比較的新しい水道水であるため、透明に近いシミになる傾向があります。ただし、これは一概には言えません。最も確実なのは、天候との連動性を観察することです。まずは慌てず、状況を冷静に見極め、適切な専門家へと相談しましょう。
雨漏りか漏水かその原因と見分け方