マンションやアパートといった集合住宅にお住まいの方が、キッチンの水圧が弱くなったと感じた場合、戸建て住宅とは全く異なる視点での原因究明が必要となります。集合住宅では、受水槽に一度貯めた水をポンプで加圧して各家庭に送り出したり、屋上の高置水槽から重力を利用して給水したりするシステムが一般的です。そのため、キッチンだけでなく家中の水圧が全般的に弱くなっている場合は、建物全体の給水ポンプの故障や、貯水槽のトラブル、あるいはマンションの各フロアに設置されている減圧弁の不具合が疑われます。減圧弁とは、高層階と低層階で水圧に極端な差が出ないように調整するための装置ですが、これが経年劣化で固着してしまうと、特定の住戸だけ極端に水圧が低下するという現象が起こり得ます。もし、隣近所の方も同様に水圧が弱いと言っているようであれば、それは管理組合や管理会社が対応すべき共用部分の問題です。しかし、自分の部屋のキッチンだけが不調な場合は、専有部分の配管に問題があるかもしれません。古いマンションでは、水道管に鋼管が使用されていることがあり、管の内部で発生したサビが剥がれて蛇口のフィルターに詰まったり、サビ瘤が成長して配管自体を塞いでしまったりすることがあります。また、最近のマンションに多いビルトイン型の浄水器も盲点となります。カートリッジの交換時期を大幅に過ぎて使い続けると、内部のフィルターが目詰まりを起こし、水の流れを著しく阻害します。まずは浄水器を通さないストレートの水流を確認し、それでも弱いようであれば蛇口の部品を確認するという手順を踏むのが良いでしょう。集合住宅でのトラブル解決には、個人でできる範囲と管理会社に任せるべき範囲の境界を見極めることが重要です。まずは冷静に状況を把握し、自分の部屋だけの問題なのかを切り分けることから始めてください。適切な知識を持って点検することが、結果として大きな水漏れ事故などを防ぐことにも繋がります。
マンションでキッチンの水圧が弱くなった際に疑うべき共用設備